期待はずれ
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「どこまでいくんすか?」
「確かこの辺だった気がしたんだけどな」
がさがさと森の中を進む。
しかし、目的地は一向に現れなかった。
「もしかして、迷ってるんですか?
先輩、ダサいっす」
「そんな奇抜な格好をしてるお前にはダサいといわれたくないよ。
どうにかならないのか、それ?」
後ろを歩いている後輩へと目を向ける。
すると、そこには目がチカチカするような蛍光色。
人ごみにこいつを放り込んでもすぐに発見できることは間違いなかった。
「これは芸術っす。
敬愛する先輩に言われても、これだけは変えられないっす」
「まあ、いいけどね。別に嫌ってわけじゃないし」
損するのは俺じゃないしな。
心の中だけで告げる。
「あっ、見えてきたぞ。
あそこだ」
「・・・・・・・・・・」
鬱葱と生い茂る森の中で、嘘のように開けた野原。
形は球形。
昔からここだけには来ちゃいけませんよ。と言われていた場所だった。
後輩もきっと知っていたのだろう。
言葉を無くしているようだ。
「ここって昔から好きなんだよ。誰も来ないし落ち着けるよな」
「来るわけないじゃないっすか?!
ここって”呪われた円”だの"宇宙人の住処"だのロクな噂がないところですよ!!!
先輩、なぜここにっ?!」
「えっ?ほら、あそこにほったて小屋があるだろ?」
指で指し示す。
そこには古びた建物。
「あそこで会ったんだよ。殺人犯」
後輩の顔色が真っ青になった。
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「いないな」
「いないっす」
「その辺に白い骨みたいなのない?」
「あるわけないじゃないっすか?
というよりそれって白骨化してますよ?!」
古びたドアを開けると、そこは3ヶ月前となんら変わらず
小さな椅子が乱雑に何個か置かれているさみしい室内だった。
なんか、力が抜けたような感じがする。
あーあ、期待はずれもいいとこだ。
「帰るか?
それとも、ここでエッチィーことでもする?」
「しないっす。
いくら先輩の頼みでもそれだけは嫌です」
「なんだ、芸術とかなんとか大層なこと抜かしておいて
そういうところは普通なんだな」
「どう考えても集中できそうにないですもん。
それにゴム持ってきてませんし」
「そりゃ駄目だな。
準備が足りない後輩だ、まったく」
こんなことなら一人でこりゃ良かった。
せっかく連れてきた盾が使い道がないことが分かった。
「ひどいっす。
そういうものって普通男の人が用意するもんじゃないっすか?」
「そういう規定概念に囚われているから、お前はダメなんだよ。
もうここには用はなくなった。帰るぞ」
後輩は何か言いたそうな顔で僕を見ていたが、やがて諦めたように
僕へと従った。
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・NEXT
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